がん検診で、万が一がんが見つかってしまったら怖いという心配から、検診を受けない人もいるでしょう。仮にがんが見つかったら、まず精神的なショックが大きいし、何度も検査を受けて、手術や抗がん剤などの治療に耐えなければならないし、仕事や家庭にもいろいろな影響が出てしまいます。そんな心配をするくらいなら、いっそ、がん検診を受けなければいいという気持ちになることもあるでしょう。しかしながら、がんは、早く見つかればそれだけ治りやすいものです。
テレビドラマなどで「タチの悪い癌が見つかり、治らなかった」という話が出てくることがありますが、実際は、タチが良かろうが悪かろうが、手術で取りきれるくらい早期に見つかれば、がんは治るのです。言い換えれば、タチの良いがんであっても、進行して体中に広がってしまった場合は、治りにくくなってしまいます。そして、早期の小さながんであれば、髪の毛が抜けたりする抗がん剤の治療も行わずに済みます。従って治療期間もそれだけ短くなり、日常生活に戻りやすくなります。
ですから、「がん」という言葉から想像される不安なあれこれを回避したいのなら、定期的にがん検診を受ける習慣をつけて、がんを早期発見するよう努めることが何より大切です。また、がん検診で痛い検査をされたくないという不安を持っている人もいるかもしれませんが、厚生労働省が推奨している検診方法は、針を刺すようなものはなく、麻酔が必要なほど痛いものもありません。従って、あまり心配せず、早期発見を目指して積極的にがん検診を受けるようにしましょう。